2012年08月10日
映画「オレンジと太陽」を観て
児童移民をとりあげた「オレンジと太陽」の映画を観ました。
350年間にわたり、イギリスからニュージーランド、オーストラリアへと送られた、児童の強制輸送問題の背景が描かれています。
映画は児童移民トラストを設立し、現在も活動しているイギリスのマーガレット・ハンフリーズさんが、大人になっても自分の生い立ちも親もわからない当事者の苦悩に触れながら、共に悩みつつ地道な活動を続ける様子が静かに、力強く描かれています。
この児童移民はイギリス、オーストラリアの国の政策として進められ、1970年代まで行われていたことに驚きました。市民に知らされていなかったという事実があり、この映画の製作中にイギリスとオーストラリアの首相が公式謝罪しました。
教会関係者、慈善事業団体も関わっていたという背景、人権を守ると言う言葉の危うさ、欺瞞性も捉えられています。
ハンフリーズさんは社会福祉士の資格をもち、市民の相談事業に携わる中で、児童移民のことを知り、活動を始めるという場面に日本の社会福祉士の位置付けとの違いを感じました。
児童移民の現在のトラスト活動内容など、これを機会にもっと知っていこうと思います。
家庭をもった女性の仕事との板挟み、しかし、そんな中で、子どもが理解を示し、「お母さんをみんなにプレゼントした」という台詞を言うシーンが心に残りました。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック